煙草

(1996.10.01)

   この10月より,通勤に利用している京浜急行線の全駅での原則禁煙 が始まった。
   煙草については,あまり多くを語る資格はないのかも知れない。周囲 にははなはだ迷惑な話ではあるが,私自身,日に30〜40本はコン スタントに喫煙している。
   ここ数年の間,喫煙者に対する風あたりは冷たくなるばかりである。 まともな飲食店では,禁煙席を設けたり,店内完全禁煙とするのはも はや常識となりつつある。また,航空機も国際線・国内線問わず禁煙 が定着しているし,国によっては,公共の場所での喫煙は禁止され, 罰金を課す国(シンガポールが有名)さえある。
   その根本的な動議は,結局のところマナーの悪さからくるのであろう。 「くわえタバコ」「投げ捨て」など,残念ながら喫煙者のマナーの悪 さは,私自身も含めて,弁解の余地がないように思える。が,敢えて 弁解するなら,私は,少なくともTPOは考えて喫煙しているつもり である。喫煙する時には,少なくとも灰皿の有無を確認するし,喫煙 の許されているような場所でも,周囲の混雑ぐあいを考え,うっかり 火の付いた部分が他の人に触れないような気遣い程度のことはしてい るのである。
   しょせん非喫煙者から見れば,五十歩百歩といったところなのだろう が,目にあまるものとしては,火のついたままの投げ捨て,特に自動 車からの投げ捨て。あれだけは,全く弁解の余地がないと思う。目の 前に灰皿があるにも関わらず(それもせいぜい後ろを振り返る程度の 距離にも関わらず),捨てられたりすると,呆れかえるやら,情けな いやら,同じ喫煙者として恥ずかしくなってしまう。せめて,火を消 す位の配慮を持ち合わせていても良さそうなものなのに,それすらで きない(しかも,明らかに高校生)というのは,例え他に秀でるもの を持っていたとしてもその人格を認める気になれない。車からの投げ 捨ても,見ていて腹立たしくなる。車内が汚れるのを嫌ってのことだ ろうが,そういう人たちは,喫煙者としてもドライバーとしても失格 だと思う。偏見かも知れないが,そのような輩の車は,まず間違いな くいわゆる高級車(しかも圧倒的に外車)さもなくばスポーツカーの 類である。彼ら(もしかしたら彼女も含めなければならぬかも)自身 は,結局,車という形のブランド品を乗り回している,否,ブランド 品に振り回されている哀れな人種なのだ,と解釈するしかないのだろ う。